公認会計士試験の合格を目指すならクレアール
先輩訪問記/太陽ASG有限責任監査法人 公認会計士 マネージャー 堤 康 さん

このたびは会計士として活躍するOBに突撃取材をしてまいりました!
普段はなかなか聞けない本音トークもありますよ!是非お楽しみください。

 

堤 康さん
太陽ASG有限責任監査法人
公認会計士 マネージャー
堤 康 さん
profile

公認会計士。2001年論文式試験に合格。2007年に旧中央青山監査法人より、グラントソントンのメンバーファームである太陽ASG有限責任監査法人に所属を変更。現在は、国内監査グループに所属をしており、主査として上場メーカーの法定監査と上場準備会社へのアドバイザリーサービス業務を担当。

 

現在のお仕事に関して

司会 現在の業務について教えてください。

会計士の仕事はあらゆるコンサルティング業務を含めると色々な業務がありますが、現在は法定監査を主に担当しております。

司会 法定監査ですね。

今年は四半期の開示制度と内部統制の報告制度が同時に始まっていますので、どうしてもそちらのほうに時間を割かれてしまうのは否めません。ですが皆、合間を縫ってその他公開支援にも携わっています。現状の経済状態から考えれば、業界全体として案件は少なめにはなっていますが、ポテンシャルのある上場志向の企業向けに2年先ぐらいを目指して準備のお手伝いをしています。それ以外にアドバイザリー業務でしょうか。

司会 堤さんは会計士歴が8年ぐらいでしたか。あらゆる会計士の業務のなかでも法定監査に携わる期間が長かったのですか。

私の場合はそうですね。

司会 監査業務は自ら志願して携わってきたのですか?たまたま監査の仕事を中心に携わってきたのですか?監査の仕事は奥が深くて面白く、まだまだやり残しているな、という感じがございますか?

まあ、まだ先も長いですから(笑)。志向としては監査をしつつ、付随業務みたいなものを積極的にやっていきたいと考えています。機会があれば、以前お付き合いしていたクライアントが他社を買収するようなケースなども積極的にお手伝いしたいと考えています。ただ先程も申しましたが今年に関してはどうしても法定監査の稼動が多いこともあって、今はそれが優先となってしまっています。とはいえ、デューデリジェンスやコンサルティングをやるのにも基本はやはり監査から得た経験や知識を使ってという話しになりますしね。基本的には今後も「監査」を軸に業務に携わっていきたいと考えています。

監査の現場で求められるものについて

司会 今のような四半期決算や内部統制が入ってきて監査自体の仕方とか質とか、求められているものはやはり変わってきているのでしょうか。

そうですね。従来は出来上がった数字について、監査報告をすることが主な仕事だったのですが、今後はそれが出来上がるまでの会社の仕組みについても意見を出すことになったので、各企業様に対しても「こうしなければならない」や「こうあるべきだ」など、かなり突っ込んだ話しをする場面が増えました。もちろん独立性のケアは合っての話ですが。

司会 不正や粉飾決算を防ぐためにも会計士さんが厳しく各企業様に対応されておられると聞きますが・・・

そうですね。

司会 実際に社内から厳しく対応するようにとの指導もあるのですか?または監査項目が増えたとか?

そうですね。求められる手続きは増えましたね。ただ全体的にここ何年かで厳しくなってきたのは、新しい制度のせいもありますが、世の流れがそうなっているということもあります。今までも監査が機能せず、大きな粉飾などが過去にも起きています。それに対する一般の投資家や取引先からの、「会計士は何をやっているのか」という批判、まぁよく言えば期待ですよね。そういうところに業界としては応えていかないと、社会的使命は果たせないのでしょうし、職業として成り立たないところもありますね。現在このようなニーズに応えられるように、日々変革への対応に全力を尽くしているのが現状なのかなと思います。

司会 実際に監査を受ける企業様も昨年からの内部統制の導入等でかなり対応が難しくなってきているため相当苦労されているのではないでしょうか?

そうですね。上場しているけれど、海外展開していなかったり、グローバルスタンダードありきということにあまり関心がなく、手抜きということではないけれど「必要十分なものでいい」という風なことを話される社長さんもいらっしゃいます。報酬などの関係もあるのでしょう。特に昨年一気に監査報酬も上がっているかと思いますが、昨年来の業績悪化で上場維持コストが負担になると考える会社があってもおかしくないと個人的には思います。

司会 これだけ厳しい監査をうけていると日本企業は強い企業になっていくのではないでしょうか。いろいろな意味で良い会社に生まれ変わる機会と捉えてよろしいのでしょうか。

そうですね。やはり今までは「まあいいじゃないか」というやり方だったところが、制度で求められるとそうはいかなくなってきますからね。「しっかりとやらなければ」と考えている会社さんも多くなっているのではないでしょうか。例えばいわゆる内部統制構築の話であれば、今までは何となく普通に流れに乗って仕事をしていたことも、構築の初期フェーズではプロジェクトチームを立ち上げて、工場の人とか、本社の人とか、いろいろな人が集まって、自分の業務などをもう一回見直していく。ここにリスクがあるから、こういうコントロールになってるのか、と一回きれいに整理して持ち寄って、自分の会社を見直す機会にもなっているのではないでしょうか。何かきっかけがなければなかなか出来ないと思いますので、その意味では非常に良い機会であったと思います。

司会 実際に企業様に意見(財務諸表の適正性)を出さない経験は堤さんはお持ちなのですか。

私はまだサインする立場にありませんが、結果的に不表明に至った経験は今のところありません。ただ、会社の見解と監査法人側の意見が相違して、監査報告前に契約が解除になったようなケースは経験あります。今年の3月はいろいろなことがあるだろうなとは感じています。

司会 そうですね。3月決算の企業様が多いですからね。

そうですね。実はもう実例はあるのですが、多くの会社では初めて内部統制に関しての監査報告が年度末に出てきます。たくさん一気に出るのは初めてですから、どうなるのか少々心配しているのが本音です。我々の事務所のクライアントでも、明らかに進捗状況が悪くて大丈夫かなというクライアントもありますね。

司会 クライアントとの関係ですが過去には、言いなりのようなところもありましたが、関係は、変わってきていますか?

そうですね。やはり需給のバランスもあると思います。まさにみすずの解散も引き金になったと思いますけれど、「まあいいんじゃない」とやってしまうと、当たり前ですが大変なことになる。それを業界が目の当たりにした。だから駄目なものは駄目だと言わなきゃいけないし、「契約を解除する」と言われても、「いいですよ」というようなスタンスには全体的になっていると思います。

司会 実際に今後、どのような方向で活躍していこうとお考えですか。やってみたいことや独立などもお考えでしたら教えてください。

基本的に私は自分1人で何かやっていくよりは、いろいろな人が集まっている中で、活動するほうが自分に向いているかなと思います。なので現時点では自分で事務所を構えることは考えていません。ただ年次なりに業務の対象が変わってくると思いますので、外を向いていく仕事も出てくると思います。最近はそのような機会も時々ありますが、やってみると「面白いな」と感じました。

司会 年次が上がると監査以外にも監査法人としてもステップアップやキャリアアップみたいなプログラムは用意されているのですか。

そうですね。私共の事務所ですとマネージャーぐらいになると、監査以外にもそれに付随する業務を任されたりしますし、間接的な業務も発生してきます。太陽ASGはグラント・ソントンというグローバルネットワークと提携しておりますので、それに準じたポリシーの作成だったり、ツールの造り込みであったり、日本のメンバーとしての品質の維持を検討するような業務に従事する方もいます。

 

公認会計士の魅力について

司会 堤さんは会計士になって8年目ということですが、なってよかった点はどの辺ですか。

人によって環境はいろいろと違うと思うのですが、私にとっては、自分のやりたいことはやっているので、やらせてもらえる環境があるということすね。監査以外にやりたいことが見つかった人も、資格商売なのもあり実力さえあれば転職も比較的容易にできるようです。その辺は一般の事業会社に比べればかなり自由度が高いと思いますので、とても良い点だと思います。

司会 会計士になったことで監査という仕事にずっと携わる人もいれば、専門性を活かして、いろいろな方面へ転職していく事も可能なわけですね。

そうですね。普通にサラリーマン生活をしていたら、工場でどのようにラインが流れてモノが作られているかなどを見ることはそうないと思いますが、そうした生産現場も見る機会はたくさんありますし、それぞれの会社の管理体制がどのようになっているのかなども詳しく見る機会もあるでしょう。その他、経営者の方とは機会を持って年に何回かディスカッションをし、会社の事業やリスクについて把握をするのですが、いわゆる経営者の方に直接話しを聞く機会はそうはないと思うのですが、会計士になるとそのような機会もあります。何年かすると何社か担当しますので同時に色々な部分を見ることはできます。これはかなり貴重な経験と言えますし、皆さんの血となり肉となっていくのだと思います。まさに公認会計士としての役得ですかね。

司会 そうですよね。いろいろな企業が見られるというのは、普通はあり得ないことですからね。

以前はメーカーを担当していたので工場に行くことが多くありました。自分の父親は製造業に勤めていたわけではないので、日本の物づくりに携わる方を目の前で見れたことがとても新鮮でした。

司会 そうですよね。いろいろな業界や業種を見られるという意味では、転職をしても同じ業界や業種が多いのが普通である中ではいろいろな業界や業種を見ることは他の仕事ではありませんからね。

そう思います。それ以外では、今景気後退が騒がれていますが会計士は士業なので収入的には比較的安定的なところも魅力なのではないでしょうか。

 

女性公認会計士と年齢のハンデキャップの現状ついて

司会 そうですね。昨今は不況ということもあって、安定した仕事へ着くために今の仕事をお辞めになって会計士を目指そうという方が非常に増えています。

女性の方も増えているのですがハンデキャップなどはありますか。

ハンデをどう定義するかにもよるかと思いますが、例えば女性がキャリア志向で、全く男女差がなく働きたいという人には、全く男女差がなく働けると思います。また勤め易さという点では、私の知る範囲では産休は当然取得できたり、子供が小さいうちは皆さん時短勤務を認めている監査法人もあります。この辺は制度としてあっても、実際にはキチンと運用されていない事業会社も多いのではないでしょうか。

司会 時短は実際には半日ですか?それとも残業がないということですか?

業界の一般的な話しをすると、終業を1時間くらいは短くすることができます。また主査(監査で言えばそのクライアントの監査のまとめ役)を持たなくても済むようにもできるようなこともあるようです。その他出張はしないなども含めてフレキシブルにいろいろ対応しているようですし。事務所によって多少違うでしょうが、いろいろな組み合わせで「なるべく働きやすくしましょう」という流れになっています。実際に別にお子さんがいるわけではなく、結婚して家事などがあるから残業はないようなアサインにしてください、という形で仕事をしている女性の方もいらっしゃいます。その人に合わせていろいろ考えてくれているようです。

司会 そうですか。大変難しい試験に向けて多少のリスクを負ってでも会計士になる価値が大いにあるということですね。

あると思います。

司会 一般的に言うと、なかなかお子さんがいる方が普通に仕事をしていくことは難しいですし、先程の収入面でも期待する収入を得ることが難しいのが現状ですからね。

時短になった場合は業務時間が短くなる分の収入は減りますが、単価が減るわけではないので働いた分は収入となるのではないでしょうか。

司会 実際に幅広い年齢層の女性の方が働かれているのですか。

堤康さん

幅広いですね。私の事務所は特に幅広い年齢層の女性が活躍されています。パートのような働き方も含めるとすれば、自分が任されたクライアントの業務だけやっているとか、特定のクライアントのスタッフ業務だけやるとか、いろいろな勤務形態があると思います。

そういう意味では資格を持って、非常勤(パート)のような仕事の仕方も可能でしょう。他の事務所でも女性で働き方を選んでいる方は結構多いと思います。出産を機に非常勤として週に3-4日などという形態で働く方は結構いらっしゃると思います。

司会 女性向けの仕事というのでしょうか。女性の方のほうがベターな企業様もあるのですか。

一概には言えませんが、例えば学校法人等は女性の方も結構多いようです。私共の事務所でも学校法人、大学とか中学高校とか幼稚園とかには、女性の監査チームもあると聞いています。

司会 女性の皆さんが一生涯働ける、働きやすい職場や仕事って少ないと思うのですが。

正直なところ良くも悪くも男性と全く同じ仕事をするので、結婚してお子さんができると一旦退職される方も多いですが、非常勤などをうまく利用し長い間上手く調整して仕事をしている方がたくさんいらっしゃいます。子供ができたから・・・そろそろ(辞める?)みたいな雰囲気は全くなく、どちらかといえば辞めないでくださいという感じです(笑)。

司会 最近は40歳を過ぎてからは当たり前で50歳ぐらいの男性の方で会計士試験を始めようという方が多数いらっしゃいます。年齢により合格後の就職が不利であったりすることはあるのですか。

弊法人でも昨年の採用時に、40代の女性で合格条件付内定を出させて頂いた方がいらっしゃいましたね。ただ今回は残念ながら試験に合格されなかったようです。

司会 職歴があって40歳代位の方ですと民間企業でも活躍できると聞いておりますが、如何ですか。

活躍は可能だと思います。今は40歳-50歳ぐらいの人でも転職する方も多いですしね。実際に会計士の有資格者が会社の中にいるということは、クライアントにとっても、監査法人にとっても非常に望ましいことだと思います。

 

新公認会計士試験制度について

司会 最近は試験の問題を見られることも少なくなっているのはないかと思いますが、以前に比べてかなり楽になった感触はございますか。

私の知人で今年受かった人がいます。その方は長く勉強をしていましたが、今年一緒に入社した同期の大学生は余力を持って受かっている人がたくさんいると話されていました。昔はガツガツにやってという方でないと合格できませんでした。もちろん今の時代でもガツガツやって合格される方もいますが、「余裕をもって合格をしていく方がたくさんいらっしゃるのを感じる」と辛い時代も経験したその方は話していました。

司会 昨年ぐらいから合格しやすくなった気がします。何年か学習をしていた方がほとんど合格をされたため、今は1年目とか2年目の受験生の方が多くなっています。そのような意味でも、合格するためのボーダーラインが落ちていると思います。ガツガツやれば本当に余力があるという感じは過去と比べてもかなりします。

そうですね。そう思います。

司会 過去は力があっても合格できなかった方がたくさんいらっしゃいました。

先日、統計学の先生と話しをしたのですが、「よく実力さえあれば運なんか関係ないと言うけれど、10%を切るような合格率の試験はどうしても運、不運は生じうるよね」と言っていました。このような意味でも目指している人にとっては、過去に比べればリスクが少なくなり、頑張って勉強すれば合格できる資格になりましたので、今がチャンスだと思います。なかなか合格できない方もこのまま頑張ってもらえれば、きっと合格できると思います。

司会 その他に感じられていることやアドバイスはございますか。

難しかった頃は何年か勉強している間にいろいろな本や先生の話を聞いて知識が蓄積されて試験とは関係ない深い話もいろいろ知って・・・合格して監査法人に入っていく方もたくさんいらっしゃったと思います。それはそれでよかったと思います。最近はどちらかというと「これだけやりましょう」という内容を隣の人と同じようにやって、失敗しないようにすれば合格ができると思うので(実は昔もそうだったのですが)、クレアールならクレアールの先生が言ったことをしっかりと守って勉強をして、あまり余計なことを考えずにまずは1回2回でパパッと合格をするのが良いと思います。そして大勢いる同期の中で頑張って、いろんな仕事をし、いろんなことを吸収し、早く一人前になってもらいたいなと思います。今までは仕事に就くまでが結構ハードルが高かったのですが、今は過去に比べれば早くに合格をすることができそうですから、早めに合格をされて生きた監査での体験を積み重ねることが大切だと思います。

公認会計士のやりがいについて

司会 実際に会計士の一番仕事のやりがいは、何ですか?

やりがい…そうですね。例えば上場している会社は決算発表日を決めています。それが1日遅れたりすると当然大変なことになりますから、絶対遅れないようにがんばっていらしゃるのですが、粛々とできる企業もあれば、なかなか大変な会社もあります。そのような会社に2、3週間入り、我々は自分が手を動かすわけにはいかないので、協議を重ね監査は進んでいきます。なかには徹夜をされるような経理の方もいらっしゃって、私共も資料を作ってもらうために頑張ることもあります。そのように苦労をして適切な開示ができ、適切な報告書が提出され、全てがおわると達成感はかなりあります。会社もギリギリで仕事を進めていますので、中には決算書類自体がギリギリに出来上がり、報告予定日まで監査が間に合わなくなりそうになり、こちらも徹夜になることもあります。小さいことを一個一個積み上げていき仕事が終わると、毎年その区切りには「良かったな?」と思います。クライアントによりますけれどね(笑)。

司会 発表の日が本番の日であれば、その日に向けていろいろな準備をする。まるで、現場監督みたいな仕事ですよね。

我々の年次ですとそのような感じになります。

司会 自分ではできないので、やってもらわないといけないもどかしさとか。たまにはコノヤローと思う時もありますよね(笑)。

ありますよね(笑)。事前に段取ってスケジュールの擦り合わせをしていたのに、行ってみたらその通りに進めてくれていない会社とか・・・。まあ、監査にはそのようなところもありますが、コンサル的な業務では、アドバイスいただいた通りにやったらうまくいきましたとか、買収がうまくいきましたとか、気分いいときもあるんじゃないでしょうか。自分が培ってきたものや経験を使って仕事をするので、その達成感や、感謝されることついては非常に醍醐味があると思います。

司会 コツコツと積み重ねてきた知識や経験が活きる仕事なんですね。

やはりそのようにして付随業務(コンサルティング業務など)で活躍している仲間とか先輩を見ていると、昔、監査の現場で本当にがっちり厳しくやっていた人が、監査以外の業務でものすごく活躍されており、現場で得たものがそのまま生きていく仕事だと感じます。監査を何となくやっていて、10年経って外に出ても、多分何も使えないと思いますが、しっかりやっていれば、本当に監査の資格に恥じない仕事ができると思います。

司会 経験が積み上がって、逆にワインのようにだんだん熟成されて行く、そのような業務だから会計士には定年がないんですね。

そうですね。

 

これから公認会計士を目指す方へ

司会 今学ばれている方やこれから学ぼうと考えている方にメッセージなどがあればお願い致します。

そうですね。今は試験制度などから合格がしやすくなったので、本当にチャンスだと思いますので是非頑張ってください。会計士になって失敗だったと思う職業では全くございませんし、得られることが多いので興味がある方はこの機会を活かして是非チャレンジしてみてください。

司会 今はビックチャンスですよね。

本当にそう思います。今合格する方は本当にラッキーだと思います。僕が合格した頃はなかなか合格できず、結構ひどい時期でした。あの頃に比べればかなり合格しやすいのではないかと思いますので、本当にチャンスだと思います。

司会 堤さんが勉強されていた頃に不合格で学習を辞めてしまった方も、今だったら合格していると思いますか?

合格していると思いますねぇ。会計士は本当に色々なことができる職業です。以前は試験自体がかなりのハードルになっていましたが、最近は合格率自体が上がってますので、しっかりと学習して合格できれば本当にヤリガイのある仕事ができます。是非目指して欲しいと思います。女性の皆さんも働き方を選べば自分なりの生き方がしっかりできると思います。また、キャリア志向の方は男性と同じ仕事もできますし。

司会 会計士の将来性はこれからも明るいとみてよろしいですか?

そうですね。人数も現状全く足りていない状況です。

司会 全く足りてないですか?

本当に足りてないです。昨年、一昨年とどこの大手法人も何百人も採用しています。今合格された方があと4年ぐらいして自分でコントロールできるようになると、少し充足される感じになるのかもしれないですが、現状では中堅層が不足しています。

司会 現場ではまだ不足感を感じてられるようですね。

そうですね。景気が悪いから採用が心配ということは今のところありせん。

事務所によっては発表前の内定の出し方で合格したら来てくださいではなくて合否にかかわらず来てくださいという出し方をする事務所も若干ではありますがあります。

司会 堤さんは大手でも勤務し、今は中堅の監査法人に所属されていますが、どこか違いはありますか?

大手のほうがある意味ではシステマティックでしょうね。配属が決まり○○グループだから、○○グループの仕事をし、という風に決まってたりします。何となく3-4年はあまり自分で考えないでも仕事が進んで行くと思います。実際、自分もそうでした。対して、中堅や小さい事務所だと同期が自分1人だったりもあるようです。私共でもここ2年くらいは30~40人程度採用はしていますが、大手に比べれば少ないほうだと思います。このような状況ですと1人の分担が少々多いので、普通なら2年目ぐらいでないとやらないようなことも、初めから積極的にやる機会もあります。自分が大手にいた頃の新人2年目位の方と、今の法人の2年目の方を比べると成長が早いように感じます。最初からある程度仕事を任されて、いろいろなことをやらされる(笑)と思って入社される方が多いのではないかと思います。だから成長が早いのは早いかもしれません。ただし大手はやはり大手で、クライアントも大きいので、中堅ではあり得ないような仕事もたくさん体験できる機会があるかもしれない、というところは全く違うと思います。どっちが好みかというところでしょうね。

司会 そうですか。やはりビッグクライアントでの監査の経験はかなり得られるものが大きいものですか。

やはり好みですね。なので一概には言えないです。相手が大き過ぎるため、全体を見れるまで10年かかった(笑)とかの話しもあります。中堅ぐらいの上場企業ですと全体の把握もしやすいですし、4,5年ぐらいの方でも主査になって役員と段取りをしたり、経営者レベルと話しができる機会もあります。

一方、大手でいわゆるグローバル企業などの監査に従事すると、会社の投資案件だけで中小企業の売上くらいの規模の金額だったり、ケタが違って何事もダイナミックなのでしょうね。

司会 たくさんのクライアントの経験ができずに殆どそこだけになってしまうのですか?

大き過ぎてそういうこともあるでしょうね。でも一社だけベッタリ経験するのも悪くないですよ。それは仕事の幅が広いのか狭いのかの判断が難しいのですけど。

司会 どちらがいいというわけではないですね。

はい。どちらがいいかという話ではないかと思います。

司会 どちららを好むか、ということですね。

はい。

公認会計士の適性に関して

司会 分かりました。最後に会計士って、どんな方にでも向いている仕事ですか?

それは、大丈夫だと思います。人付き合いというかお客様相手の仕事ですし、仕事の半分位は交渉事だったりしますので、ある程度コミュニケーション能力はある方がいいとは思いますが、勉強好きで粛々とやるという方も大勢いらっしゃいます。仕事柄、地道に知識を積み重ねることが必要な場面も多いので、こういう人は駄目ですというのはありません。

司会 いろいろな働き方やお仕事ができるということですね。ある分野を専門的に掘り下げていく人もいるということですね。

そうです。会計基準を研究するような部署もあります。品質管理やそれをどう適用するかということを業務としてやっている人もいます。私共の事務所は所帯がそれ程大きくないので兼任でやっていますが、大きい事務所だと品質管理部門があってチェックリストを作っていくとか、事務所の通達を作っていくとか、会計基準が出たら適用のタイミングを通達するような部署もあります。本当にいろいろな仕事があります。

司会 いろいろな仕事があるのですね。

多くの方が監査業務を行っていますが、監査でもクライアントはたくさんありますので、こういう人が向いているクライアントとか、こういう人が向いているクライアントとか、行き始めると何となくわかります。

司会 相性みたいのもあるのですね。

ありますね。

司会 先方の対応される方で決まるのですか?

いろいろなキャラクターな方がおいでですからね(笑)。

ただ適正として責任感は必要です。今の試験制度の優位性を活かして、お仕事を一緒にできるようになる方が増えるといいですね。

司会 本日はお忙しいなかありがとうございました。

 

堤康さん


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