「本試験を振り返って」
市岡 大輔さん
はじめに
私は大学卒業後金融機関に約2年間勤務した後、クレアールで公認会計士試験の受験勉強を開始しました。平日は個別DVDで講義を1.5倍速で視聴してから夕方まで自習室で勉強し(週末は主に答練を受けました)、夜はジムで体を動かすなど、気分転換を図りながら勉強のリズムを作り、約1年半の学習の末、今回なんとか合格することができました。この体験記が現在クレアールで学習されている方やクレアールへの入学を検討されている方の参考になれば幸いです。
クレアール会計士アカデミーに入学した理由
クレアールの薄いテキストを用いて基本的な事項を徹底して学習するというコンセプトに共感しました。確かに本試験では解答が難しい問題も出題されますが、(1)細かい知識を問うような難しい問題は解答できなくても合否には直接影響しないと考えていましたし、また、(2)その場で考えなくてはならないような難しい問題については、基本的な事項を深く理解していることが重要だと考えたからです。今回の本試験を振り返ってみても、基本的な事項を正確に理解し、それを答案に表現できれば合格できる内容でしたので、基本を徹底するという勉強方法は間違いではなかったと感じております。
具体的な学習方法
まずは計算科目を学習するというクレアールの方針に従いました。計算科目を約3ヶ月間集中して勉強し、2007年6月の日商簿記検定1級に間に合わせました。1級の受験後本格的に会計士講座が開始されるまでは少しだらけてしまいましたが、会計士講座開講後は翌年の3月まで講義や答練に合わせて、予習(特に理論科目は予習すると講義の理解度が格段に変わってくると思います)と復習を徹底し、4月からは短答対策に特化しました。
■財務会計論(簿記)
年が明けるまでにテキスト・問題集を3、4回繰り返して復習しました。簿記の応用答練が始まってからはその復習が中心となりましたが、論文試験の直前は簿記にあまり時間を割くことができないことを考えると、ここで復習を頑張って何度も繰り返しておくことが大事であると考えます。応用答練では思うように点数が伸びないことが多々ありましたが、あまり気にせず、答練の解説で平山先生に教わった下書きや解法をマスターすることを心がけました。短答対策としては、テキストの例題と短答答練・模試の問題を全て解けることができるまで繰り返しました。短答本試験で計算の総合問題が出題されたのは予想外でしたが、1問あたりの配点が小さくコストパフォーマンスが悪いので、敢えて解きにいかなくても大丈夫だったのではないかと思います。論文対策としては、応用・直前答練や模試から、連結、連結C/F、企業結合、事業分離などを中心に重要と思われる問題をピックアップして解き直し、またテキストで全ての論点を確認しました。論文本試験では連結が出題されないことに驚きましたが、全体的に良問だったのではないかと思います。
■財務会計論(財務諸表論)
答練をペースメーカーとして勉強しました。暗記の方法については、電車の中が意外と集中できたので、スピーチではなく、テキストや答練をコピーし、カードに貼り付けて電車の中で繰り返し覚えました。短答対策としては、短答問題集・答練・模試を復習し、自分の理解が不十分だった事項を確認しました。論文対策は、個人的に今回の試験のヤマであると感じていた概念フレームワーク、純資産、企業結合、事業分離などの論点についてはテキストや答練の復習に加えて、基準集の読み込みも十分に行いました。本試験を振り返ってみると、基準レベル(前文・結論の背景)の問題は絶対に落とせないと感じました。
■管理会計論
この科目は比較的短時間でマスターできることから得意にされている方も多いのではないかと思います。私も特に論文本試験ではこの科目で稼ぐ予定でしたが、今年の論文本試験では過去の本試験に比べ傾向が少し変わり(その場で考えなくてはならない理論問題が増えたように感じました)、難化したため、この科目で稼ぐことはできませんでした。計算は基本的な問題の出題が続いていますので、問題は理論であると思います。今回のような現場思考型の問題に対しては直接的な対策が難しいと考えられるので、テキストを暗記することよりも各論点を正確に理解した上で、毎回本試験を受けるつもりで答練に臨み、初見の問題を全力で解くことが必要なのではないかと感じました。短答はテキスト・問題集・答練を復習しておけば特に問題ないと思います。
■監査論
監査論も答練に合わせて勉強を進めましたが、とにかく全体像を把握することに力を入れました。その際平林先生の板書がとても役に立ったと思います。また今回の試験から基準集が配布されることとなったため、委員会報告書は暗記しませんでしたが、どこにどんなことが書いてあるかはざっと確認して論文試験に臨みました。
■企業法
普段は応用期テキストとセレクト50を中心に勉強しました。短答対策としては、短答答練・模試(解説がとにかく素晴らしいです)、直前期テキスト、金融商品取引法のテキストを繰り返し覚えました。テキストは非常に分かりやすく、以上の教材をこなせば、今回の問題と同程度の難易度であれば満点が狙えると思います。それ程石井先生の対策が充実していました。論文対策は応用期のテキストと答練を中心に勉強を進め、特に出題が予想された株式・機関(利益相反・第三者責任・監査役などの論点)については手厚く対策しました。
■租税法
短答対策を始めるまでに、答練に合わせて各計算論点を1、2回理解して覚えました。短答直前は全く勉強しなかったので忘れてしまった論点も多かったのですが、短答後に集中して勉強し、論文に間に合わせました。計算については法人税の問題で難しい問題も出題されていたように思いますが、とにかく基本的な問題は落とさないよう心がけました。理論については直前期の理論対策テキストが充実しているため心配ないと思います。
■経営学
得意科目でした。選択科目としてもやはりおすすめです。財務論・管理論ともに大学生の頃や社会人になってからも勉強したことがあったため、非常に取り組みやすかったです。加えて、今回の本試験では坂口先生と藤原先生の対策が完璧であったため素点ベースでも高得点を獲得することができました。数学が苦手な方は一見すると投資理論やデリバティブの問題が難しいと感じられるかもしれませんが、会計士試験では難しい計算は問われないので安心してください。
最後に
本試験はやはりとても緊張します。得意科目で失敗することがあるかもしれません。私も論文試験2日目の午前中に得意科目であったはずの管理会計論の理論問題で思うように得点することができませんでした。絶望的な気分でしたが、昼食をとりながら、「これで失うものは何もなくなった」と気持ちを切り替え、最後まであきらめずに受験しました。苦手科目があっても、本試験で失敗した科目があっても最後まであきらめずに努力を続ければなんとかなってしまうものです。受験勉強は確かに苦しいですが、合格の喜びは格別ですので、皆様も勉強を頑張って合格を勝ち取ってください。







